Story

心に満ちる音楽が、生きる為の感情を生み、幾多の壁を乗り越えていく「心のビタミン」になる──。

そう感じ始めたのは、中学生の時でした。

音楽を聴き、心のキャンバスにその風景を描く、そうすることで大切なものが見えてきます。

それを、多くの人に届けることが出来た時、何かを変えるパワーになる。そう信じて2010年、「心のビタミンコンサート」を初めて開催しました。

はじまりは2010年、YANCYさんと関ヒトシさんの音楽を多くの人に知ってもらいたい、その一心で、たった一人、ライブイベントを初めて自分で企画したのです。

でも、アーティストたちとスケジュールを調整し、会場を押さえ、機材を手配し、プログラムを練り、チケットを手作りして宣伝し……といった準備作業は想像以上にたいへんで、当日が近づくにつれ、喜びや期待より、不安と厳しさで押しつぶされそうになりました。本番を迎えるころには、「この一度きりでやめよう」とまで考えました。

会場は「太郎吉蔵」。建てられてから100年ほども経つ、軟石造りの酒米倉庫を改装したモダンな施設で、小さいけれど、ライブ会場としての雰囲気は満点です。そこに地元の友人・知人たちを中心に、70人ほどが集まってくれました。

そしてライブが始まりました。お客さんたちの笑顔が、直前まで感じていたストレスを一気に解放してくれました。経験したことのない達成感。ただの観客だったころとは明らかに違う種類の感動を、僕は初めて味わっていました。

決意をいっそう強めたのは、2011年3月11日の東日本大震災でした。多くの人が恐怖や不安におののいている今こそ、みんなに音楽を、心のビタミンを届けたい──。

より心満ちるライブはどうあるべきか、出演アーティストの人たちといっしょに考えながら回を重ねてきました。一般的な音楽フェスではあまり類を見ない「セッション・コンサート」のスタイルが、そうして生まれました。ミュージシャンたちも、このライブコンサート自身も、進化を続けていると思います。

10周年を迎えた2019年心のビタミンコンサートはいつも以上に大好評を博し、「今までやってきたことは間違っていなかった。ひとつ大きな花が咲いた」と感じました。

ずっとイベントを支えてきてくれたミュージシャンのみなさんや、コンサートに足を運んでくれた多くのお客さんがあってのこと。これからも心満ちる音楽の追求を忘れず、多くの人に「心のビタミン」を届けていきたいと思っています。（中森浩二）

2021年9月17日に開催を予定していた「心のビタミンコンサートXI Performance 2021 in SORACHI」は、2022年夏に再延期することを決めました。どうぞご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

コロナ禍のメッセージ

心のビタミンコンサート実行委員長　中森浩二

安心、安全を優先し、開催日を2022年夏へ再延期する事に決定しました。

急増する感染者、こんな時にこそ生きる為の感情を届けるべきとも考えましたが、想定していなかった感染者増加と拡大する不安、コロナ禍での外出、移動の自粛要請等で準備期間での案内、宣伝がスムーズにいかなくなる懸念。

お客さん、出演者の安心、安全と最高のイベントを届けるのは難しいと判断しました。

2019年から1年と8ヵ月の休止期間、心のビタミンを届けることが出来ない時間……申し訳なく　本当に心苦しいです。

すぐにでも、イベント開催し、皆さんの笑顔にお会いしたい気持ちでいっぱいです。

再延期する2022年夏、爽やかな風と光をいっぱい感じる　穏やかな時間に夢がふくらむような最高のライブを、実行委員のメンバーと共にしっかり準備して届けます。

2022年夏、また、笑顔でお会いすることを楽しみにしています。　

幸せの心のビタミンが沢山ありますように！

2021年5月22日